2022年度もたくさんランドセルの想い出メッセージが寄せられました。
一部ですが紹介させていただきます。
思い出作文集2022
たくさんのご応募ありがとうございました。全国の皆さまからお送りいただいたランドセルは、検品作業を行ったあと日本を出発します。秋にはアフガニスタンの子どもたちにプレゼントできる予定です。
今後も当ホームページにて活動内容をご報告いたします。
2004年からスタートした本キャンペーンは全国の皆様からご賛同いただき今年で19年目を迎えました。
昨年までに14万個以上の使用済みランドセルが海を越えて、アフガニスタンの子供たちにプレゼントされました。
一部でも豚革が使用されているランドセルは宗教上の理由からアフガニスタンに送れませんのでご注意ください。
ランドセルのご応募に関しまして、詳しくは「応募について」をご覧ください。
https://umigoe-randoseru.com/about.html
ランドセルの受付は募集個数に達し次第、締め切らせていただきますので、
早めのご応募をお勧めいたします。
皆さまからのご応募をお待ちしております。
2021年ランドセルは海を越えての活動は、皆様の温かいご理解と多大なご支援により、ランドセルを無事にアフガニスタンに届けることができましたので、ご報告いたします。
今年は新型コロナウィルスの感染拡大により、日本からアフガニスタンへの輸送に大きな影響が出ました。また、ランドセル輸送途中の8月15日には、予期しない政変が起きる事態となりました。 このような状況ではありましたが、アフガン医療連合(アフガン医療連合・アフガニスタン復興計画センター:United Medical Center for Afghans and Rehabilitation Program for Afghanistan、以下、アフガン医療連合)をはじめとした各関係機関との連携により、お陰様で、予定通り活動を行うことができました。
ランドセルをご寄贈およびご協力をしてくださいました皆様から、ランドセルがアフガニスタンの子供たちに届けられたのか教えて欲しい、アフガニスタンの状況について知りたいというお問い合わせが多く寄せられました。そのため、日本を出発したランドセルがアフガニスタンへ到着するまでの道のりと、アフガニスタンでの配付の様子を、現地で撮影した写真でご説明いたします。ご参考になれば幸いです。
今後とも、皆様方のご理解とご協力をお願い申し上げます。
日本からのランドセルの流れ
輸送とアフガニスタン現地での配付活動
7月5日 横浜港を出航しました。
8月12日 ランドセルを積んだコンテナはシンガポール港で積み替えを行い、パキスタンのカラチ港に到着しました。同日、アフガン政府より、カラチ港でのランドセル荷揚げとアフガン向けの輸送許可が出ました。
8月18日 アフガニスタン・ナンガハール州で活動する国際機関および国内外の人道支援団体は、ナンガハール州教育局長代行と会合を持ちました。アフガン医療連合は今後とも継続をすることを確認しました。
8月23日 アフガニスタン総領事館(在カラチ)から、カラチ港に到着したランドセルの荷揚げとアフガニスタン向けの輸送許可証が、改めて発行されました。
9月2日 カラチからアフガン医療連合に向けて、内陸輸送を開始しました。
9月7日 トルクハム税関(パキスタンとアフガンとの国境)に到着しました。
9月11日 ナンガハール州の州都ジャララバードにあるアフガン医療連合の倉庫にランドセルを搬入しました。
10月7日~9日 ナンガハール州バティコット郡(Bati Kot District)の19校を対象に、男子生徒4,742名と女子生徒3,074名の合計7,816名にランドセルと学用品を配付しました。
10月18日 バティコット郡でのランドセル配付手続きを完了しました。
写真によるご報告
ランドセルの輸送とアフガンでの配付活動
ランドセルはコンテナ船で横浜港を出航しました。
パキスタン・カラチ港での荷揚げしたランドセルを積んだコンテナは、トレーラー2台で陸路アフガニスタンへ輸送しました。 途中、急こう配なカイバル峠の曲がりくねった上り坂を進み、トルクハム税関へ向かいました。
アフガニスタンとパキスタンを繋ぐ幹線道路は、アフガニスタン経済を支える大動脈です。トルクハム税関の検査が厳しくなりトレーラーの大停滞が発生しました。
トルクハム税関はパキスタン領内とアフガニスタン領内の税関に区分されています。パキスタンのフォワーダーとアフガン医療連合の緊密な連携で通関することが出来ました。
トルクハム税関での通関後、アフガニスタンに入国したトレーラーは78km離れたナンガハール州の州都ジャララバード市内に入りました。
パキスタンのカラチからアフガンのジャララバードまでは陸路で1954kmです。およそ東京と福岡を往復する距離です。
ランドセルが日本を出発してから、海路と陸路の69日間の旅で、アフガン医療連合の倉庫に到着しました。日本から届いたのは、40フィートコンテナ2本にランドセル7,816個と学用品のノート・ボールペン、鉛筆など88,000点です。コンテナからの荷下ろしは、夜間になると治安が悪くなるので昼間に作業を急ぎました。
アフガン医療連合のスタッフは手分けをして、数多くの段ボール箱を倉庫に運び、ランドセルと学用品が入った段ボール箱を、無事に倉庫へと搬入しました。
アフガン医療連合の倉庫の隣では、スタッフが段ボール箱からランドセルと学用品を取り出しました。生徒には学用品も平等に配付するため、ノート、鉛筆などをランドセルに均等に入れ直しました。その理由は、ノートや鉛筆の値段が高くて、普段は買ってもらえない学童が、ランドセルの中に入っているノートの冊数が同級生と違うことで、不平や不満の原因になることを防ぐためです。
ランドセルを乗せたトラックが、ジャララバードからバティコット郡に到着しました。
大きな袋に詰め直されたランドセルは、トラックでジャララバードからバティコット郡の学校に到着すると、ランドセルを入れた袋を降ろしました。配付する学校とランドセルの数が多いので、ジャララバードの倉庫との間を何度も往復しました。
ナンガハール州バティコット郡の行政担当者とアフガン医療連合のスタッフは会合を持ち、ランドセルの学校への配付計画について説明をして了承を得ました。
教室がない学校では屋外の青空教室で、ランドセルの使い方について女子生徒に説明をしました。
教室に集まった女子生徒に、ランドセルの使い方について説明をしました。
アフガン医療連合はランドセル配付名簿を学校と協力して事前に作成しました。名簿順に生徒の名前を呼び、本人の確認を行ってから、ランドセルの配付を始めました。多くの学校では中途退学と欠席する生徒が多いため、この確認作業は大切です。
木陰の下の青空教室で、一人ひとりの生徒の肩にランドセルを背負わせて渡しました。このように丁寧にランドセルを渡すことで、生徒の勉学への意識は高まります。
ランドセルの配付の後、生徒は自分でランドセルの使い方を確かめることに夢中になりました。
ランドセルの中に入っているノートと鉛筆に大喜びです。多くの家庭では、保護者はノートや鉛筆を子供たちに買い与える金銭的余裕がありません。
ランドセルが配付される前までは、家にある古くなった敷物や古着を再利用して、母親の手作りのバッグや、お店で買い物をした際に品物を入れるバッグを利用して、ランドセルの代わりに使っていました。
ランドセルを手にして笑顔を見せてくれました。布製のバッグにノートや教科書を入れると、雨の日は、ノートも濡れて字が書けません。ランドセルの中に教科書とノートを入れると雨に濡れないで嬉しいです。
ランドセルの中に入っていた真白の紙のノートを見るのは初めてです。はにかみながらも大喜びです。
日本から届けられたランドセルとノートを手にして、満面の笑みがこぼれます。
ランドセルを試してみて、生徒たちの視線が集まりました。
ランドセルを持ち上げて、日本の支援者にお礼の気持ちを伝えています。
ランドセルに入っていたクレヨンに大喜びの生徒。アフガニスタンではクレヨンを知らない人が多くいます。
ランドセルを背負って、家から持ってきたナンを友達と分けて食べる生徒たち。
アフガニスタンの学校には給食はありません。
ランドセルが贈られて嬉しくなり、アフガニスタン伝統のサンゲラク(Sang Gerak)という遊びを始めした。サンゲラクは、日本のおはじきに似た遊びです。
下校の途中で、ランドセルの中に入っているノート、鉛筆などの学用品をお互いに見せ合っていました。
ランドセルは女子生徒にも平等に配りました。低学年の女子児童にランドセルを配ることで、通学をする意欲が高まります。小学生3年生から4年生ごろから、家の手伝いなどで女子生徒の中途退学が増えることを防ぐ効果もあります。
アフガニスタンでは、中途退学をして、小学校を卒業することができない生徒が多くいます。ランドセルで通学することは、小学校を途中で止めないでくださいというメッセージにもなります。
ナンガハール州の農村地域の小学校は、男女生徒の授業出席率は平均60%です。内訳は、男子生徒が72%、女子生徒が46%です。学校に行く予定の男子の28%と女子の54%は学校に通っていません。
学校に行かない、または中途退学をする主な理由は、以下の通りです。
・親が子供を学校に行かせない。
・家から学校までの距離が遠い。
・通学の途中や学校の治安が悪い。
・家庭の事情で、自分で働いてお金を稼がなければならない。など
数字の出典:アフガニスタン人口統計・保健調査報告書2015年(2017年発行)
Afghanistan Demographic and Health Survey 2015
子供たちがランドセルを背負い通学する姿が日常的になることで、子供が毎日学校に行くことは普通のことですという意識が保護者にも浸透することは非常に大切です。保護者の気持ちの変化が原動力となり、村落の社会的な雰囲気も大きく変わります。女子の47%と男子の18%は、学校に行かない大きな理由として、親が子どもを学校に行かせないことを挙げています。
ランドセルと学用品が配られて生徒たちは大喜びです。女子と男子は手をつないで輪になりダンスを始めました。ランドセルを贈ってくださった日本の支援者に、体いっぱいの感謝の気持ちを表わしています。
現地のパシュトゥン語で「教育に光を当ててください」と書いてあります。
光はローソクの灯りを描きました。
小学3年の生徒は、贈られた色鉛筆と画用紙で、アフガニスタンに平和が来て欲しいという気持ちを込めて、平和のハトを描きました。
女子生徒は、山に囲まれ、小鳥がさえずる場所で暮らしたいという気持ちを描きました。
「私は本を読んでいます。本は私の友達です」と書いてあります。
学校の女性教師が、黒板を使って、現地のパシュトゥン語のアルファベットを教えている絵を描きました。女子生徒たちの願いを表現しています。
「ランドセルを贈ってくださりありがとうございます」と書いてあります。ランドセルと学用品を贈ってくださった日本の支援者への感謝の気持ちを表わしています。
Ⓒランドセルは海を越えて/アフガン医療連合
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