2022年

2022年ランドセルは海を越えて
活動ご報告

皆様の温かいご理解と多大なご支援により、ランドセルを無事にアフガニスタン届けることができましたので、ご報告いたします。

2022年度のランドセルは海を越えての本活動で、クラレのパートナーであるアフガン医療連合(アフガン医療連合・アフガニスタン復興計画センター:United Medical Center for Afghans and Rehabilitation Program for Afghanistan、以下、アフガン医療連合)の精力的な活動により予定通り事業を実施することができました。

ランドセルと文房具のご寄贈にご協力をしてくださいました皆様から、ランドセルがアフガニスタンの子供たちに届けられたのか教えて欲しいというお問い合わせが多く寄せられています。そのため、日本を出発したランドセルがアフガニスタンに到着するまでの経緯と現地での配付活動の様子を写真でご説明いたします。ご参考になれば幸いです。今後ともこのWEBサイトにてご報告させていただきます。引き続き、皆様方のご理解とご協力をお願い申し上げます。

日本からのランドセルの流れ
輸送とアフガニスタン現地での配付活動

7月13日 横浜港を出航しました。
8月15日 ランドセルを積んだコンテナはパキスタンのカラチ港に到着しました。
8月17日 カラチ港でのランドセル荷揚げ作業と通関業務を開始しました。
8月31日 カラチからアフガニスタン・ジャララバード(ナンガハール州の州都)に向けて内陸輸送を開始しました。パキスタンを襲った大雨と大洪水で、国土の3分の1が水没する甚大な被害を受け、多くのトラックとトレーラーが水浸しになりました。また、パキスタンからアフガニスタンに通じる幹線道路が冠水し、橋の崩壊のリスクが高まりました。そのためにランドセルの輸送手配が滞りアフガニスタンへの輸送が予定から大幅に遅れました。
9月11日 トルクハム税関(パキスタンとアフガニスタンとの国境にある税関)で通関を行いました。
9月13日 ジャララバード市郊外のアフガニスタン税関に到着し、通関業務を行いました。
9月22日 アフガン医療連合代表のババカルキル氏が、経済省ナンガハール州NGO局長と会合を持ち、今年度のランドセルの配付および関連する活動について説明をしました。
10月1日 ナンガハール州アチン郡(Achin District, Nangarhar Province)の28の学校に、7995個のランドセルの配付を始めました。

写真によるご報告
ランドセルの輸送とアフガンでの配付活動

横浜港でコンテナに入れたランドセルを船舶に積み込みました。シンガポールでカラチ向けの船舶にコンテナを積み替えました。シンガホールでは貨物が滞留したため、カラチ港への到着が大幅に遅れました。

アフガン医療連合の倉庫で、ランドセルと一緒に送った文房具をランドセルに均等に入れ直しました。この作業は、ノートや鉛筆の値段が高くて、普段は買ってもらえない学童が、受け取ったランドセルの中に入っているノートの冊数が違うことで不平と不満が出ないように気を配りました。(ナンガハール州ジャララバード市)

ランドセルを袋に詰め車の屋根に乗せて、山間の学校に向けて険しい道路を行きました。(アチン郡バグダラ村)

ランドセルを配付する前に、事前に準備をしたランドセル配付名簿で生徒一人ひとりを確認しました。(アチン郡バグダラ村)

アフガン医療連合のスタッフがランドセルの配付を始めました。(アチン郡バグダラ村)

バグダラ小中一貫校の小学生はランドセルを手にして嬉しくなりVサインを見せてくれました。(アチン郡バグダラ村)

学校には水道も井戸もないので、生徒はペットボトルに飲み水を入れて毎日通学しています。ランドセルは背負うことができるので、飲み水を入れたペットボトルを手に持って運ぶことが出来ると大変喜んでいます。(アチン郡バグダラ村)

カタール・ツゥート村の小学校は山間の僻地にあります。車両でランドセルを学校に運ぶことができないため、途中で村人と生徒が協力して、ランドセルが入った袋を担いで河原を渡りました。(アチン郡カタール・ツゥート村)

ランドセルが配付される前まで使っていた手作りの袋を見せてくれました。家にあった古い布を再利用して使っていました。 (アチン郡チノ村)

ランドセルを積んだアフガン医療連合のトラックがチャルガジ村に到着しました。(アチン郡チャルガジ村)

チャルガジ村は生徒の数が非常に多いので、教室が不足しています。そのため生徒は屋外の空き地の地面に座り授業を受けています。(アチン郡チャルガジ村)

ランドセルを手にして生徒の顔から笑顔がこぼれます。ランドセルを贈ってくださった日本の方々に感謝の言葉がありました。(アチン郡チャルガジ村)

シロクヘイル小学校の2年生にランドセルが配られました。今まで見たことがないカラフルな色鉛筆、クレヨンと真っ白なノートに生徒たちは大喜びで笑みがこぼれました。(アチン郡シロクヘイル村)

ランドセルの中には、パシュトー語で印刷したカレンダーを入れました。生徒たちは家に持ち帰り親に見せます。多くの村人の家にはカレンダーはありません。読み書きができない親には、子供がカレンダーを読んであげることがあります。1週間の曜日と年間の月日の意識のない生活をしているので、村人は自分の生年月日と年齢が正しく分かりません。親は結婚をして赤ちゃんが生まれても、生まれた子供の生年月日が正しく分かりません。子供が小学校に入学する年齢もよく分かりません。現地の言葉で印刷されたカレンダーには、村人の静かな意識の変化を起こし、家族と自分のことを知って欲しいという願いが込められています。
(アチン郡シロクヘイル村)

ランドセルと一緒に配付したカレンダーです。パシュトー語で「食事の前には手を洗いましょう」、「手を洗わないで食事をすると下痢になるので気を付けましょう」、「村では苗木を植えて緑を増やしましょう」というメッセージが印刷されています。アフガニスタンはジャラーリー歴(1922年に採用)を使っています。日本が使っている西暦のグレゴリオ暦とは異なります。

アフガン医療連合のスタッフ(写真:輪の中央奥)はバンダコーラ小中一貫校の校長と教師でランドセル配付について打ち合わせをしました。(アチン郡バンダコーラ村)

ペクハ・パクヘイル小学校でランドセルが配られました。嬉しさで生徒の笑顔が絶えませんでした。ナンガハール州の小学校1年生から6年生に定められている授業の科目は、イスラム教、算数、家庭科、芸術、読み書き、ペルシャ語、コーランの解釈、国語(パシュトー語)、理科、英語、体操です。1時限は50分です。授業開始は午前8時、終了は11時20分です。金曜日は休日です。(アチン郡ペクハ・パクヘイル村)

ペクハ・パクヘイル小学校の1年生にランドセルが配られました。生徒全員が笑顔で応えてくれました。同じ小学1年生でも外見の年齢が少し違うように見えますが、お互いに気にはしていません。親は自分の子供の正確な生年月日が分からないので、小学1年生として入学する生徒の実際の年齢も分からないことがあります。(アチン郡ペクハ・パクヘイル村)

マルーフチーナ村の小学1年生のアリカーンさんは、ランドセルを机の代わりとしても利用しています。ランドセルは自宅でも移動式の小机としても使え勉強ができると喜んでいます。多くの村人の家はテーブルや机を買う経済的な余裕はありません。
(アチン郡マルーフチーナ村)

兄は妹のランドセルを非常に嬉しく誇りに思いました。兄は妹のランドセルに入っている学用品を一つひとつ確かめ、妹にこのランドセルでしっかりと勉強をして、将来、アフガニスタンのために立派な医者になって欲しいという気持ちを伝えました。(アチン郡マルーフチーナ村)

ペロクヘイル村の小学1年生のマリアムさんが受け取ったランドセルの中に、日本の生徒さんから英語の手紙が入っていました。アフガン医療連合のスタッフに手紙を読んでもらいました。そして、「お手紙は私が受け取りました。とても嬉しいです。いつまでもランドセルを大切に使います。」という返事がありました。(アチン郡ペロクヘイル村)

アシクヘイル村の小学生にランドセルが配られました。真新しい鉛筆を見つけて目を丸くして喜んでいました。(アチン郡アシクヘイル村)

アサデゥクヘイル小学校でランドセルが配られ、生徒は嬉しい気持ちを表すためにドラムを叩いて弾ける気持ちを絵に描きました。(アチン郡アサデゥクヘイル村)

バンダコーラ小中一貫校の3年生にランドセルが配られました。生徒たちはランドセルの中に入っていた真っ白な紙のノートを手にして目を輝かせて喜んでいました。(アチン郡バンダコーラ村)

カーンダラ村の小学校でランドセルが配られました。ランドセルを受け取った生徒たちからは笑顔が満ち溢れました。
(アチン郡カーンダラ村)

ペロクヘイル村の小学1年生は、ランドセルを持ち上げて日本のみなさんに感謝の気持ちを伝えました。
(アチン郡ペロクヘイル村)

バンダコーラ小中一貫校の小学生にランドセルが配られました。先生がランドセルの使い方を生徒に教えています。 生徒たちは興味津々に教わっていました。(アチン郡バンダコーラ村)

ディスラク村の小学校にランドセルが配られました。日本のみなさんに感謝の気持ちを伝えるために、全員が揃って手を挙げてお礼のあいさつをしました。(アチン郡ディスラク村)

ランドセルは海を越えての活動の一環として、ナンガハール州アチン郡の学校に、黒板350枚、黒板消し350個、チョーク2100箱(1箱チョーク100本入り)、ござ350枚の配付を行いました。(アチン郡シャイクハン村)

シャイクハン村の小学校で使っていた古い黒板と新しく配付された黒板を比べて見せてくれました。(アチン郡シャイクハン村)

シャイクハン小学校に配られた新しい黒板とチョークを見せてくれました。(アチン郡シャイクハン村)

2022年5月15日(日)
ランドセルの検品と梱包作業が終了しました。

皆様から送っていただいたランドセルは感染予防をしっかりと行った上で、ランドセルの検品と梱包作業が無事終了しました。ご協力いただいた皆様、ありがとうございました。

今年は海上輸送の船舶が逼迫している状況が続いていますが、6月下旬に横浜港を出航し、7月下旬にパキスタン・カラチ港に到着する予定です。8月末ごろ、カラチからアフガニスタン・ナンガハール州の州都ジャララバードに向けて、ランドセルはトレーラーで陸送されます。

アフガニスタンの学校の新学期は9月から始まります。現地の小学校には10月~11月ころ順次配付される予定です。

アフガン医療連合は、ランドセル配付地域の治安と安全を確認して、ランドセルを配付する学校を決めます。

これからもランドセルの輸送と配付の状況をこのWEBサイトでご報告させていただきます。

2022年4月6日(水)
想い出作文集を公開いたしました。

2022年度もたくさんランドセルの想い出メッセージが寄せられました。
一部ですが紹介させていただきます。
想い出作文集2022

2022年3月20日(日)
ランドセルの申し込みを締切りました。

たくさんのご応募ありがとうございました。全国の皆様からお送りいただいたランドセルは、検品作業を行ったあと日本を出発します。秋にはアフガニスタンの子どもたちにプレゼントできる予定です。

今後も当ホームページにて活動内容をご報告いたします。

2022年1月10日(月祝)
第19回「ランドセルは海を越えて」
ランドセルの受付を開始いたしました。

2004年からスタートした本キャンペーンは全国の皆様からご賛同いただき今年で19年目を迎えました。
昨年までに14万個以上の使用済みランドセルが海を越えて、アフガニスタンの子どもたちにプレゼントされました。

一部でも豚革が使用されているランドセルは宗教上の理由からアフガニスタンに送れませんのでご注意ください。
ランドセルのご応募に関しまして、詳しくは「応募について」をご覧ください。
https://umigoe-randoseru.com/about.html

ランドセルの受付は募集個数に達し次第、締め切らせていただきますので、
早めのご応募をお勧めいたします。

皆様からのご応募をお待ちしております。

「ランドセルは海を越えて」
2021年活動のご報告

2021年ランドセルは海を越えての活動は、皆様の温かいご理解と多大なご支援により、ランドセルを無事にアフガニスタンに届けることができましたので、ご報告いたします。

今年は新型コロナウィルスの感染拡大により、日本からアフガニスタンへの輸送に大きな影響が出ました。また、ランドセル輸送途中の8月15日には、予期しない政変が起きる事態となりました。 このような状況ではありましたが、アフガン医療連合(アフガン医療連合・アフガニスタン復興計画センター:United Medical Center for Afghans and Rehabilitation Program for Afghanistan、以下、アフガン医療連合)をはじめとした各関係機関との連携により、お陰様で、予定通り活動を行うことができました。

ランドセルをご寄贈およびご協力をしてくださいました皆様から、ランドセルがアフガニスタンの子どもたちに届けられたのか教えて欲しい、アフガニスタンの状況について知りたいというお問い合わせが多く寄せられました。そのため、日本を出発したランドセルがアフガニスタンへ到着するまでの道のりと、アフガニスタンでの配付の様子を、現地で撮影した写真でご説明いたします。ご参考になれば幸いです。
今後とも、皆様方のご理解とご協力をお願い申し上げます。

日本からのランドセルの流れ
輸送とアフガニスタン現地での配付活動

7月5日 横浜港を出航しました。
8月12日 ランドセルを積んだコンテナはシンガポール港で積み替えを行い、パキスタンのカラチ港に到着しました。同日、アフガン政府より、カラチ港でのランドセル荷揚げとアフガン向けの輸送許可が出ました。
8月18日 アフガニスタン・ナンガハール州で活動する国際機関および国内外の人道支援団体は、ナンガハール州教育局長代行と会合を持ちました。アフガン医療連合は今後とも継続をすることを確認しました。
8月23日 アフガニスタン総領事館(在カラチ)から、カラチ港に到着したランドセルの荷揚げとアフガニスタン向けの輸送許可証が、改めて発行されました。
9月2日 カラチからアフガン医療連合に向けて、内陸輸送を開始しました。
9月7日 トルクハム税関(パキスタンとアフガンとの国境)に到着しました。
9月11日 ナンガハール州の州都ジャララバードにあるアフガン医療連合の倉庫にランドセルを搬入しました。
10月7日~9日 ナンガハール州バティコット郡(Bati Kot District)の19校を対象に、男子生徒4,742名と女子生徒3,074名の合計7,816名にランドセルと学用品を配付しました。
10月18日 バティコット郡でのランドセル配付手続きを完了しました。

写真によるご報告
ランドセルの輸送とアフガンでの配付活動

ランドセルはコンテナ船で横浜港を出航しました。

パキスタン・カラチ港での荷揚げしたランドセルを積んだコンテナは、トレーラー2台で陸路アフガニスタンへ輸送しました。 途中、急こう配なカイバル峠の曲がりくねった上り坂を進み、トルクハム税関へ向かいました。

アフガニスタンとパキスタンを繋ぐ幹線道路は、アフガニスタン経済を支える大動脈です。トルクハム税関の検査が厳しくなりトレーラーの大停滞が発生しました。

トルクハム税関はパキスタン領内とアフガニスタン領内の税関に区分されています。パキスタンのフォワーダーとアフガン医療連合の緊密な連携で通関することが出来ました。

トルクハム税関での通関後、アフガニスタンに入国したトレーラーは78km離れたナンガハール州の州都ジャララバード市内に入りました。

パキスタンのカラチからアフガンのジャララバードまでは陸路で1954kmです。およそ東京と福岡を往復する距離です。

ランドセルが日本を出発してから、海路と陸路の69日間の旅で、アフガン医療連合の倉庫に到着しました。日本から届いたのは、40フィートコンテナ2本にランドセル7,816個と学用品のノート・ボールペン、鉛筆など88,000点です。コンテナからの荷下ろしは、夜間になると治安が悪くなるので昼間に作業を急ぎました。

アフガン医療連合のスタッフは手分けをして、数多くの段ボール箱を倉庫に運び、ランドセルと学用品が入った段ボール箱を、無事に倉庫へと搬入しました。

アフガン医療連合の倉庫の隣では、スタッフが段ボール箱からランドセルと学用品を取り出しました。生徒には学用品も平等に配付するため、ノート、鉛筆などをランドセルに均等に入れ直しました。その理由は、ノートや鉛筆の値段が高くて、普段は買ってもらえない学童が、ランドセルの中に入っているノートの冊数が同級生と違うことで、不平や不満の原因になることを防ぐためです。

ランドセルを乗せたトラックが、ジャララバードからバティコット郡に到着しました。

大きな袋に詰め直されたランドセルは、トラックでジャララバードからバティコット郡の学校に到着すると、ランドセルを入れた袋を降ろしました。配付する学校とランドセルの数が多いので、ジャララバードの倉庫との間を何度も往復しました。

ナンガハール州バティコット郡の行政担当者とアフガン医療連合のスタッフは会合を持ち、ランドセルの学校への配付計画について説明をして了承を得ました。

教室がない学校では屋外の青空教室で、ランドセルの使い方について女子生徒に説明をしました。

教室に集まった女子生徒に、ランドセルの使い方について説明をしました。

アフガン医療連合はランドセル配付名簿を学校と協力して事前に作成しました。名簿順に生徒の名前を呼び、本人の確認を行ってから、ランドセルの配付を始めました。多くの学校では中途退学と欠席する生徒が多いため、この確認作業は大切です。

木陰の下の青空教室で、一人ひとりの生徒の肩にランドセルを背負わせて渡しました。このように丁寧にランドセルを渡すことで、生徒の勉学への意識は高まります。

ランドセルの配付の後、生徒は自分でランドセルの使い方を確かめることに夢中になりました。

ランドセルの中に入っているノートと鉛筆に大喜びです。多くの家庭では、保護者はノートや鉛筆を子供たちに買い与える金銭的余裕がありません。

ランドセルが配付される前までは、家にある古くなった敷物や古着を再利用して、母親の手作りのバッグや、お店で買い物をした際に品物を入れるバッグを利用して、ランドセルの代わりに使っていました。

ランドセルを手にして笑顔を見せてくれました。布製のバッグにノートや教科書を入れると、雨の日は、ノートも濡れて字が書けません。ランドセルの中に教科書とノートを入れると雨に濡れないで嬉しいです。

ランドセルの中に入っていた真白の紙のノートを見るのは初めてです。はにかみながらも大喜びです。

日本から届けられたランドセルとノートを手にして、満面の笑みがこぼれます。

ランドセルを試してみて、生徒たちの視線が集まりました。

ランドセルを持ち上げて、日本の支援者にお礼の気持ちを伝えています。

ランドセルに入っていたクレヨンに大喜びの生徒。アフガニスタンではクレヨンを知らない人が多くいます。

ランドセルを背負って、家から持ってきたナンを友達と分けて食べる生徒たち。
アフガニスタンの学校には給食はありません。

ランドセルが贈られて嬉しくなり、アフガニスタン伝統のサンゲラク(Sang Gerak)という遊びを始めした。サンゲラクは、日本のおはじきに似た遊びです。

下校の途中で、ランドセルの中に入っているノート、鉛筆などの学用品をお互いに見せ合っていました。

ランドセルは女子生徒にも平等に配りました。低学年の女子児童にランドセルを配ることで、通学をする意欲が高まります。小学生3年生から4年生ごろから、家の手伝いなどで女子生徒の中途退学が増えることを防ぐ効果もあります。

アフガニスタンでは、中途退学をして、小学校を卒業することができない生徒が多くいます。ランドセルで通学することは、小学校を途中で止めないでくださいというメッセージにもなります。

ナンガハール州の農村地域の小学校は、男女生徒の授業出席率は平均60%です。内訳は、男子生徒が72%、女子生徒が46%です。学校に行く予定の男子の28%と女子の54%は学校に通っていません。

学校に行かない、または中途退学をする主な理由は、以下の通りです。
・親が子供を学校に行かせない。
・家から学校までの距離が遠い。
・通学の途中や学校の治安が悪い。
・家庭の事情で、自分で働いてお金を稼がなければならない。など

数字の出典:アフガニスタン人口統計・保健調査報告書2015年(2017年発行)
Afghanistan Demographic and Health Survey 2015

子供たちがランドセルを背負い通学する姿が日常的になることで、子供が毎日学校に行くことは普通のことですという意識が保護者にも浸透することは非常に大切です。保護者の気持ちの変化が原動力となり、村落の社会的な雰囲気も大きく変わります。女子の47%と男子の18%は、学校に行かない大きな理由として、親が子どもを学校に行かせないことを挙げています。

ランドセルと学用品が配られて生徒たちは大喜びです。女子と男子は手をつないで輪になりダンスを始めました。ランドセルを贈ってくださった日本の支援者に、体いっぱいの感謝の気持ちを表わしています。

現地のパシュトゥン語で「教育に光を当ててください」と書いてあります。
光はローソクの灯りを描きました。

小学3年の生徒は、贈られた色鉛筆と画用紙で、アフガニスタンに平和が来て欲しいという気持ちを込めて、平和のハトを描きました。

女子生徒は、山に囲まれ、小鳥がさえずる場所で暮らしたいという気持ちを描きました。

「私は本を読んでいます。本は私の友達です」と書いてあります。

学校の女性教師が、黒板を使って、現地のパシュトゥン語のアルファベットを教えている絵を描きました。女子生徒たちの願いを表現しています。

「ランドセルを贈ってくださりありがとうございます」と書いてあります。ランドセルと学用品を贈ってくださった日本の支援者への感謝の気持ちを表わしています。

Ⓒランドセルは海を越えて/アフガン医療連合